つまらない日常があるから時々楽しい。

 と思う。毎日焼肉だったなら流石に飽きるでしょう。とはいえ焼肉はおいしい。お腹一杯に食べられる機会なんてそうそうあるものじゃない、寧ろ食べられる機会がないということで、人のことなどお構いなしに食べた。人の家で。



 その時にテレビに映っていたのはplanet earthだったのだけれど、洞窟の地面に蠢く一面のコックローチがそこにはいた。よくみんな平気な様子で食べられたと少し思った。自分は全く平気だったがなぜだろう。



 食べ終えてから「時をかける少女」を観た。神アニメだった。前々から観たいとは思っていたのだが機会がなく今までずるずると来ていた。なんせ友人が映画に誘ってくれなかったのだ。オレが一人で行動するのは嫌いと知っていながら。これはイジメだ、なんてのは置いておいて、彼らは映画館で二回も観たらしい。羨ましい限りだ。二回目の時は本当に都合が合わなくて行けなかった。話を戻すと、時かけは本当に最高で、素敵で楽しかった。



 きちんと説明するならば、脚本の出来、映像美、音声・音楽、それぞれがとても仕上がっていて非の付け所がないのではないか、という具合だった。原作は短編で、とても短いらしい。友人曰く、よくここまで広げたとのこと。年を取るごとにどこかに忘れていく青春がそこにはあるのだと思った。この自分でさえ、青春がしたいと思ってしまったのだから。オレは一体何歳だ。



 キャッチボールとか、少人数で野球をするだとか、土手で夕日を眺めるとか、そんな些細なことがまたしてみたいと思ったけれど、青春を取り戻すなんてことはそんなに簡単なことではない気もする。いや、そもそも取り戻せることではないかもしれない。でも、そんな風に思えることが素敵なことではないだろうか。



 気持ちだけでも若くいたい。そんな気持ちを共有したい。