懐かしい

 懐かしい人にばったり会った時に自然な反応、もしくは違和感を感じさせない反応を見せる人に憧れる。不意を突かれたときに現れがちな、相手をどう思っているかという内心をひた隠しにして笑みを浮かべるその狡猾さに痺れるのだ。
 自分なんかは懐かしさの余り興奮してしまって、ついへまをやらかすか、もしくは人見知りな部分が出て不自然な反応をしてしまいがちだ。


 話が盛り上がってそろそろ解散しますかとなって、今度はメールすると言ったはいいものの、携帯が料金未納で止まっていることを思い出した。色々な人に迷惑はかけているかもしれないけれど、面と向かって言われなければ構わない範囲だろうと勝手に決め付けている。多分あいつもメールを少ししてそのうち連絡を取らなくなる人の内の一人になるのだろう。携帯が止まっているから連絡の取りようも今はないし。


 金の切れ目が縁の切れ目。あと違う。